英語教室 Kさんを偲んで
英語教室の講師と受講生の多くは団塊の世代です。何らかの病気で悩まされたりお孫さんの世話をしたり、忙しいながら熱心に教室に通っておられます。その中にKさんがおられました。Kさんは「ひと・まち交流館」の英語教室開講の要請者でした。彼とは40年来の良き友であり、碁敵でもありました。Kさんが膵臓癌と診断されたのが22年9月。ステージ2と「早期発見」でしたが、サイレントキラーと言われるその癌のステージ2の生存率が18%というあるネット情報を見て、愕然としました。診断後、グループラインでKさんの苦悩が幾度となく赤裸々に綴られました。しんどい体調を訴えられたりあまり良くない白血球数の数値に時々言及したりしながらも、できる限りレッスンに出席されました。来られると受講生はジョークや洒落の大好きなKさんをジョークで笑わせ、ラインには激励の言葉、動画、画像、音楽などをアップしました。これらの交流はKさんの苦しみを和らげたり免疫力をアップしたりすることに多少なりとも役立ったのではないか、と思っています。
24年3月15日朝、Kさんから律儀にも電話があり、「今日は体調が悪いので英語のレッスンを休みます」と弱々しい声で言われました。「どうぞ、お大事に」と交わしたその翌日、Kさんは亡くなられました。
後日、娘さんが英語教室にお見えになり、受講生の励ましや情報提供がKさんの大きな心の支えになり、生き続けようとする気力のエネルギー源になったと述懐された時、英語教室の別の存在意義が見えた気がしました。